「世界No.1のヘッドレスCMSを目指す」CEO松田とCXO柴田が描くmicroCMSの未来
人事担当の中谷祐介が、社内のさまざまなチームとそこで働くメンバーにスポットを当て、それぞれの役割や働き方について詳しくご紹介するこのシリーズ。
今回は、CEOの松田承一さんとCXOの柴田和祈さんに、前後編にわたってお話をうかがいました。
2021年に社名を「株式会社microCMS」に変更し、現在に至るまでプロダクトと組織を成長させ続けている当社。後編は、microCMSとしてのプロダクトや組織に対する思いについて二人に語っていただきました。ぜひご一読ください!
前編:
2021年に社名を変更。PLGを採用しつつ、セールス組織も立ち上げた理由
ーー2021年には社名を「株式会社microCMS」に変更しましたね。どういったきっかけで変えたのでしょうか。
松田:
「このサービスで本格的にやっていこう」と決めたタイミングで社名を変更することにしたんです。
柴田:
microCMSをリリースして9か月ほど経った頃、受託業務を完全に辞めることができたんですよね。プロダクトの成長に手応えを感じることができたので、完全にヘッドレスCMS事業に集中することに決めました。
ーーmicroCMSはPLG(Product-Led Growth)を採用しています。その理由と実現するための取り組みを教えてください。
松田:
海外のエンジニア向けプロダクトで広がっているPLGモデルに着目し、microCMSもまず無料で使ってもらうことにしました。マーケティングやセールスに頼るのではなく、プロダクトそのものを強化する戦略ですね。
ーーPLGを推し進めるためにはプロダクトの品質が欠かせません。プロダクトの品質を向上するために意識しているのはどういった点ですか。
松田:
ユーザーからのフィードバックをリスト化して優先順位をつけて開発を進めることですね。特にメンバーの人数が増えてきたここ数か月は、新機能開発、カスタマーサクセス、セールス支援とそれぞれ専用の開発チームを作って、自分たちが目指す方向性とユーザーの声のバランスを取りながら、リソースを配分して開発しています。
柴田:
「Osushi」で失敗した経験が生かされている部分もあると思います。早い段階で大失敗を経験したからこそ、microCMS開発当初からセキュリティ面や法律面に十分配慮しながら作り込むことができました。
ーー2024年5月にはセールス組織も立ち上げました。PLGを進めながら、セールスも強化することに決めた背景を教えてください。
松田:
microCMSはパートナープログラムを用意していて、パートナー企業に認定させていただいた制作会社の皆さんにmicroCMSを使っていただくことで、プロダクトが広がる仕組みを強化したいと考えています。そういったパートナー企業を増やすために、セールスメンバーを採用したという背景があります。
また、これまではエンジニアの方々が主体的に口コミで広めてくれていましたが、ビジネスサイドの皆さんにヘッドレスCMSのメリットを伝えるのは、まだまだ難しさを感じていたんです。そういった点においてもセールスの存在が欠かせないと考えました。
セールス組織自体はまだ立ち上がったばかりで、今はまだデータ収集の時期です。でも、セールスのメンバーがいろいろとアクションを起こしてくれているので、どこかでその成果が開花する手応えを感じています。
microCMSが目指す世界を表現したミッションと、組織として大切にしている4つのバリュー
ーーmicroCMSのミッションは「エンジニアの武器を作り出し、世界の進歩を後押しする」ですが、このミッションを掲げた背景を教えてほしいです。
松田:
エンジニアの仕事をより便利にするツールを提供することで多くの人に良い影響を与えたい、という思いを込めました。“便利にしていく”を言い換えると、“武器にする”になるなと。その武器を多くの作り手に与えていくことで便利になるし、その結果多くの人に影響していいことが起こるはずです。
現在のメンバーたちもエンジニアが多いこともあってか、みんなこのミッションに共感してくれていますね。
ーーバリューとして「オープンでいよう」「誠実に振る舞おう」「本質を見極め行動しよう」「気づきを伝えよう」の4つを掲げていますね。
柴田:
バリューは、すでに僕たちが意識していた行動や文化を後から言語化したものです。仕事する際に「何を意識しているか」をメンバーと議論しながら作り上げました。
特に「オープンでいよう」という考え方は、僕たちがエンジニアとしてOSS(オープンソースソフトウェア)の文化に触れてきたことが影響しています。プライバシーに関わるものを除き、売上や経営の議論も含めて社員全員がアクセスできるようにしています。
松田:
また「気づきを伝えよう」というバリューも大切にしています。特に、2024年6月にエイチームにグループインした後、新たなメンバーが増える中で意見を言いやすい環境を作ることが重要だと考えました。
Slack上でも「ナイスオープン」や「ナイス気づき」といったスタンプがあって、それが全社チャンネルで共有されることで文化がさらに強化されていると思いますね。
フルリモートや非同期ワーク、ホワイトな働き方を採用する理由
ーー現在のmicroCMSの組織体制や働き方について教えてください。
松田:
現在は役員含めて30名の組織になっています。コロナ禍をきっかけにフルリモート体制に移行しました。オンライン商談やコスト削減もうまく機能しているので、現在も継続しています。
柴田:
非同期ワークも当社の特徴かもしれません。始めたきっかけは社員からの提案でした。従来のように「次回の定例で相談しよう」というのではなく、その場でSlackに書き込んで返事を待つ。これによって情報共有の質が向上しましたし、相手の時間を同期的に奪ってしまうという状況を減らすことができるようになりました。
松田:
Slackでのテキストコミュニケーションやドキュメントに残す文化が定着しましたね。新しく入ったメンバーも過去の経緯や判断基準を確認できるようになっているので、働きやすさを感じてくれているのではないかと思います。
ーー創業当初にお二人が決めた“ホワイトな働き方”は今後も継続していきたいと考えていますか。
松田:
もちろんです!仕事は人生の中で大きな部分を占めますが、人生の一部でしかありません。この会社にいる間はもちろん頑張って仕事してほしいんですが、人生を削ってまで働いてほしいとは全然思っていません。
ただ、この会社で経験を積んで将来に活かせるものにしてほしいなとは考えています。勤務時間で中身の濃い仕事をして、プライベートも充実させる。時間は有意義に使うべきですからね。
柴田:
時間をかければかけるほど売上が上がるような仕事もあると思うんです。ただ、そういう場合でも、「どうやったら時間をかけずに同じようなことができるのか」を考えて仕組み化していくほうが、エンジニアっぽいですよね。そういう組織文化を育んでいくことで強い組織になると思っています。
ーー組織としての今後のビジョンについても教えてほしいです。
松田:
社員が多様なキャリアパスを選べる環境を整えたいと考えています。社内でのキャリアアップだけでなく親会社を含めたキャリアへの挑戦、microCMSでの0→1の経験を活かした起業など、それぞれの可能性を広げる選択肢を用意していきたいですね。
柴田:
会社の規模を短期間で極端に大きくするつもりはありません。むしろ、これまで築いてきた文化をしっかりと守りながら着々と成長していきたいですね。
「世界No.1のヘッドレスCMSに」創業者二人が描くmicroCMSの展望
ーー2024年6月にエイチームにグループインしました。その背景を教えていただけますか。
松田:
PLGでここまで成長してきましたが、さらに大きな飛躍を目指したいという思いがありました。エイチームを選んだ理由は、「Qiita」というエンジニア向けメディアの親和性が高く、セールスのノウハウも豊富だからです。
柴田:
社風が似ていたことも大きなポイントでしたね。実際にオフィスにうかがったときに、松田くんと「うちの会社と雰囲気が似ているね」と話したくらいです。親和性が高そうだと感じたことも、大きな決め手になりました。
松田:
グループインしたことで明確な目標数字が掲げられたので、プレッシャーは感じています。でも、プロダクトの本質を追求し続ける意志は揺らぎません。いいプロダクトを作り続けていれば、売上はついてくると思っていますから。
ーーそして、microCMSの利用企業がついに1万社を超えましたね!
松田:
率直に嬉しいですね!途中までは利用企業数を数えていたんですが、途中からは数えられなくなってしまって、1万社という数字に対する実感が正直あまりなくて……(笑)。ただ、自治体や公的機関でも導入されるようになったので、社会的な責任の重さを強く感じ始めています。
ーー最後に、お二人が描くmicroCMSの展望について教えてください。
柴田:
管理画面の自由度の向上や権限管理、レビュー周りの強化など、まだまだ改善したい部分がたくさんあります。海外でも十分通用するサービスに育て上げていきたいですね。
松田:
僕たちはmicroCMSでその分野の世界ナンバーワンを目指しています。ヘッドレスCMSは、世界的にもまだ主流にはなっておらず伸びしろが大きいジャンルなので、どんどん使っていただいて広めていきたいですね。
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microCMSと社名を変更した経緯や、プロダクトの展開や組織としてのmicroCMSが目指すところ、また今後の展望について余すところなく語っていただいた、創業者インタビュー・後編はいかがでしたか?
「世界No.1のヘッドレスCMS」を目指すべく、これからもmicroCMSはプロダクトと組織の成長を続けてまいります。皆さんもmicroCMSで一緒に働いてみませんか?皆さんからのご応募、お待ちしております!